23年ぶりのブラッシュファクトリー訪問記

20年ぶりにモトクロスに復帰してから、はやくも2年と2ヶ月が経ちました。

その間、ずっと再会したかった方がおりまして、ついに再会できました。

25年くらいまえ、私が中学生のころ、ヘルメットのペイントをしていただいたBrush Factory (ブラッシュファクトリー)の平井宏児さん。*上記は何度も投稿してる当時塗っていただいたヘルメットです


中学生のころ、ガルルやバックオフをみていて「これ、かっこいいヘルメットだなぁ」と思ったヘルメットはだいたいブラッシュファクトリーで、いつしか「自分のヘルメット塗ってもらえないかな?」と妄想が始まりまして・・・

で、たまたま自宅から電車で20分の距離にあったので、思い切ってお邪魔し、そのブラッシュファクトリーLOVEな気持ちを中学生なりにつたない言葉で伝えていたら

「中学生からそんなにお金とれないから、格安で塗ってやるよ!」


と、平井さんに神対応をしていただき、本当にありえないような価格で上記の宝物のようなヘルメットを塗っていただきました。


そこから数年間、2週に一度くらい平井さんの工房にお邪魔し、新しいデザインを拝見したり、大人の会話を盗み聞きしたり・・・と、夢のような時間を過ごしておりました。

しかし、高校生になり、モトクロスをやめてからはすっかりそのまま私の不義理でご無沙汰してしまっておりまして・・・


それから時が経ち、私は大人になり、結婚もし、子供ができて、2年前にモトクロスに復帰して、まっさきに「いま、あの方はどうしてるのだろう?」と思い出した方のおひとりが平井さんで、すぐに検索し、Facebookでつながり、「お邪魔させてください」とラブコールしつつ、平日は仕事、週末はモトクロスで意外に工房にまでは行けなかったのですよ^^;


そんなこんなで二年越しの思いですが、ようやく今週の平日の仕事終わりの夜に、東名高速をぶっとばし、神奈川県平塚市に移転されたブラッシュファクトリーにお邪魔してきました。

*前置きが長すぎた^^;

場所こそ東京の世田谷から移転しましたが、塗料のシンナー臭、ミニカーやアメコミの雑貨類、ブロンドのお姉さんのポスターやカレンダーw…もうあの頃の世田谷の工房と何も変わらぬ一貫性ある環境で、中学生のころの胸のトキメキwが蘇り、オッサンとして小躍りな気分(^^)

さりげなくディスプレイしてあるミニカーや小物達ですが、ケースの中のヘルメットは、伝説のNASCARのドライバーの本人サイン入りのものであったり。

現在ペイント製作中のアイテムもゴロゴロと・・・

ヘルメットだけでなく、プラモみたいなおもちゃもゴロゴロとw

さりげなく飾られているのは、ヤマハのワークスライダーであった田淵武選手がかぶっていたヘルメットだったり。20年以上前のものとは思えないほど、平井さんの作品はセンスの古さを感じないんですよね。


平井さんとの思い出話をしていても、90年代の国内モトクロスでは、ワークスライダーにおけるブラッシュファクトリー占有率は高かったようで、

・ホンダは東福寺選手
・ヤマハは田淵選手、川崎選手
・カワサキは岡部選手、花田選手、エディ・ウォーレン選手
・スズキは馬場選手、鶴田選手

と、思い出せるだけでも、ものすごい数。。


工房にある当時のヘルメットの写真をめくっているとこんなお宝まで・・・

AMAスーパークロスのチャンピオンとなったジャン・ミッシェル・バイル選手にヘルメットも!!

チャンプとなりゼッケン1となった翌年は、RSタイチのウェア、アライヘルメット、ブラッシュファクトリー・・・と、オール国産の装いだったのですねぇ。


*ネットで出てきた写真のため引用元~著作者不明です。撮影者の方、ごめんなさい!


当時、そのバイルやヘルメットのかっこよさにしびれた私は、見よう見まねで自分でカスタムペイントし、上半分がバイルレプリカ、下半分が星条旗、背景が宇宙という謎のデザインを自分でやってみましたw

中学生のタミヤのエアブラシの割には上出来じゃね?と当時は自画自賛・・・


そんな思い出話に花を咲かせつつ、平井さんは23年ぶりの再会にもかかわらず歓待してくださり、お仕事の手を止め、2~3時間はコーヒー飲みつつ当時の思い出話や、最近のモトクロス業界、カスタムペイント業界の状況など、サービス精神たっぷりにお話してくださり、そのあまりの素敵な笑顔と対応に、23年の空白期間をこちらが感じないほど、リラックスできて楽しい時間となりました。


本当に感謝の念しかありません。ヘルメットだけでなく、その素晴らしいお人柄が魅力なのです。


ヘルメットのデザインは個人の趣味なので、本当に人によって好みが別れますが、私は個人的にはブラッシュファクトリーとトロイリーデザインの2大巨頭、あとはバイルのヘルメットを手がけるフランスのOCD Designは、ずば抜けてセンスの良さを感じて好きなんですよね。


私見ですが、トロイリーデザインは、遠くからでもはっきりと色や造形がわかる大ぶりでシンプルなデザインのセンスが良い。つまり「ヘルメットは遠くから見て映えるモノにする」という前提があるように感じます。また、実際にカスタムペイントされた作品を見た方の話を聞くと、細かな仕上げはけっこう雑wらしく、それもまたアメリカだなぁ、とw

私がモトクロスに復帰したときに買ったこのトロイリーデザインの既製品ヘルメットも、写真で小さく写っていても、デザインの構成や配色がシンプルだから、よく映えるんですよね。カスタムペイントではなく熱転写だと思いますが、実にトロイリーデザインらしいデザインだなぁ、と。


ブラッシュファクトリーの平井さんの作品は、遠くから見ても良いのですが、近くでみるとすごく細かな仕掛けと細工が丁寧にしてあって、ある種の工芸品的な、日本人の細やかな職人さんのセンスも感じます。米国テイスト+日本職人の技的な。

こちらは工房で撮影させていただいた'94年の田淵武選手のヘルメット写真ですが、私にとってのブラッシュファクトリーらしさ満点で大好きです。

大好きすぎて、これまた当時学生だった私は、平井さんに塗り方のテクニックを教わりつつ、自分で缶スプレーとマスキングをしながら、見よう見まねでBELLのヘルメットにパクリデザインのカスタムペイントしていましたw

これはCRM250Rだからモトクロスは引退しつつ、二輪免許とって未練がましくトレールバイクのCRMに乗っていた高校生の頃かな・・・。



こんな大ファンなブラッシュファクトリーさんですが、私がひとつ残念なのは、平井さんは、ホームページは更新管理が面倒だから・・・という理由で、BrushFactroyは公式HPがなく、Facebookページしかないんですよね^^;


平井さん作品のファンとしては、勝手ながら、もっと多くの世界中の人に知って欲しいという気持ちがあり、いつかどこかで簡単なホームページづくりを勝手に代行~お手伝いさせていただきたいな、なんて独りよがりに妄想しております。ご本人には迷惑かもしれませんが(苦笑


でも、工房のなかにあるヘルメット作品の過去の写真アルバムなんて宝の山のようなもので、これは多くの方が気軽に見られたら素晴らしいことだな、と。

平井さんの作品ヒストリーは、カスタムペイントで表現できるデザインの可能性を切り拓いてきた生き字引みたいな歴史の凄みを感じるんですよね。工房のなかで埋もれさせておくにはもいったいない。

いつかはそれらのアーカイブを掲載したHPづくりとか、どうにかお手伝いしたいな・・なんて思います。



そんなこんなで、私のブラッシュファクトリー&平井さんファン度はひじょうに高く、長く熱い書きっぷりになってしまいましたが、近々どこかで、私と息子のヘルメットのカスタムペイントをお願いしたいと考えております。

お金の目処はたってないし、なかなかそこまで予算回らないし、贅沢な話なんですが、私はやっぱり平井さんの作品ファンなんですよね。そこは理屈じゃない思いがあります^^;

今回はこんなところで。ではでは~。

0コメント

  • 1000 / 1000

YamaGuuci#29

「速さより、ミーハーさを楽しむ親子」20年ぶりにモトクロスに復帰したオヤジと息子で、週末ライドを楽しんでいる親子サンデーレーサー / HUSQVARNA FC250 & TC65