モトクロス人口を増やす考えかた雑文 その1
正確なMX人口の統計はなかなか見当たらないので、本当にどの程度の増減があるかはわからないけど、自分が2015年にMXに復帰してからの6年間でも、なんとなくオフビの全日本モトクロス選手権の動員数は減っているようにも感じるけど、そのファクトはわからない。
ということで、計測された数字っぽいものを探すと「MFJ VISION / 2020施策」というページがあり・・
MFJのMX競技ライセンス人口の推移は
2013年 1,871人
2019年 1,363人
と、わずか6年で28%、約3割の減少となっている。
*ちなみに2020年目標は2000人と記載あり、かなり無理ゲーなV字回復目標に見えて、ちょっと心配になる
ちなみにより本気度の低いエンジョイライセンス(私もWeekEndRacers出場に必要なので持っている)になると、
2013年 2,656人
2019年 2,346人
と1割程度の減少になり、減少幅は少なくなる。(ちなみにこちらも2020年目標は4,000人という記載があり、更に無理ゲーなV字回復目標になる)
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少なくともMFJの発表数値見る限り、本気~エンジョイの程度を問わず、競技人口は減っているということみたいです。
ちなみにエンデューロと思われるEDカテゴリのライセンス保有者は
2013年 219人
2019年 523人
と、絶対数はまだMXライセンス保有者より少ないですが、6年で倍増以上のペースで伸びている。少なくとも増加トレンド。それはつまり、ED界隈の競技を仕掛けている方々の施策はユーザーの心をつかんでいる可能性はぐっと高い。(なぜなら伸びているから!)
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ユーザーが減っている業界は何をすべきなのか?
結論として、私もすごい答えはもっていないのですが、自分のなかでは業界としての課題として有力な仮説はある。それは、MX業界は、「ライダーや観客の新規参入のハードルも高いけど、参入後の人の離脱率も高いのでは?」という仮説。
企業の売上や顧客を増やす活動をマーケティングと言いますが、その世界ではスタンダードな考えで、ファネル分析というものがあります。
図引用元: https://medifund.jp/marketing-funnel
ファネルというのは、要するに漏斗のことですね、エンジンオイルいれるとき、みんなつかってる下がすぼまっているやつ。
要するに、MXを知る人→興味持つ人→観戦やライディングするのは検討する人→実際に観戦・ライディングしてみる人→根付いて周囲に口コミで推奨する人みたいな流れを、漏斗の流れに例えているのです。
なぜ漏斗=ファネルなのか?
それは、上から下に行くにつれて、どんどん離脱してしまい、そのステップに進む人が減っていくからです。ファネル分析というのは、それぞてのステップの人数と、ステップを次に進む人の確率を定量的に把握し、優先的に対処すべき課題を特定するためのものです。
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MX業界は観戦やライディングの初体験からの定着率が低いのでは?
MXに興味を持った人が実際に観戦したり、自分でバイクを買ってライディングしはじめるまでには、そもそも相当な離脱があり、観戦やライディングにたどり着かない人が大勢います。それも難しいですが課題だと思います。(ウエストポイントさんのモトクロスごっことかは、MX関心者が初めて乗ってみる機会として、有力な解決策のひとつだと思います。素晴らしい!)
また、そこでせっかく得た新規参入した人も、二回目の観戦に行かない、何回かバイクに乗ったけどうまくならない、周囲の人と馴染めない、経済的な理由で続かないみたいに辞めてしまう現象はあるかと思います。
一般的に業界のユーザーを増やす取り組みは大切なのは間違いないのですが、この定着率が悪いと、せっかく獲得したユーザーが離脱してしまい、いたちごっこでユーザー数が増えなくなります。水漏れがはげしいと結局トータルのユーザー数は増えないということになります。
いわゆる、バケツに穴が開いたまま、水を注いでいる状態ということです。
私は、企業のマーケティングを支援する仕事をしているのですが、MX業界は、このまさに水漏れがはげしい業界なのでは?という感覚を持っています。(新規獲得ユーザーが少ないだけならば人数は増えないけど維持されるはずです。相当な離脱人数があるからこそ、MX競技ライセンス人口数が激減しているわけです)
残念ながらどの業界や商品・サービスでも水漏れ=離脱をゼロにはできません。
ただ、水漏れの穴をある程度塞いで減らさないと、いつまでたっても
新規参入者=水 < 離脱者=水漏れ となり、バケツの水は減り続けて、MX業界ユーザー数も減っていってしまいます。
ユーザー数を増やす取り組みは、
1:水を注ぐ=新規参入者を獲得して増やす
2:バケツの穴を塞ぐ=離脱者を減らす
という2つの行為の必要ですが、MX業界はまずはバケツの穴を塞ぐことを、地道な努力の基盤として積み上げてから、新規ユーザー獲得に投資したほうが成果出そうだなぁ、というのが自分の仮説的な見立てです。
これは前者の努力をゼロにはすべきではないけど、後者の穴をふさぐことをやらないと、せっかく努力しても成果がでず、徒労感が残ってしまう。
なんとなくですが、MX業界にはそういう1の努力はそれぞれの方がされているけど、なかなか大きな成果がでず、徒労感が漂っている空気を感じます。
ちなみに1の新規獲得は、わりとお金がかかる施策が多いです。それは大勢の人に新たに知らせるとなると、最後は広告というお金がかかる解決策が有力候補にならざるえないからです。
一方で2の施策は努力や工夫で改善できることが多い傾向にあります。(お金かかるのもあるけど、だいたいは1ほどじゃない)
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じゃあ、どうやってバケツの穴を塞ぐのでしょうか?
どう考えればよいのか??
この続きは、また自分の時間がとれたとき「その2」を書きます^^;
もう充分に文章が長いんで、その1はこんなところで!
P.S
MFJさんの数字のファクトを記載し、ライセンス人口減少の指摘をしましたが、MFJさんを批判する意図はありません。おそらく二輪免許人口も減り、若者人口も減るなかで、予算も限られたかなでとれる施策はかなり限られており、かなり難易度の高いミッションだからです。特に離脱者の多くは、高齢化による理由もあり止めがたい可能性も推察できます。
ただ、実行者の中心はMFJさんで、そこでイケてない施策をやるならば、一定の批判が起こるのは仕方がないのだとしても、業界の多くの方々で協力的に考えていったほうが、よりよい未来となる可能性が高いなぁと個人的には思います。
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