2020年 息子の全日本モトクロス参戦記
気がついたら2020年は一本もブログを書いてなかった。
Twitterでは散々書いたけど、ここで我が家の2020年のMXライフを振り返り、率直な気持ちをありのままに、装飾せずに記録として残しておこうと思う。
それが自分の振り返りなり、今後、MFJ参戦する誰かの参考になるかもしれないので。
息子はいま小学5年生、家庭の諸事情~奥さんの考えもあり、モトクロスのレースは2020年末まで!と2020年の冒頭に家族会議で決定した。
つまり、年始の時点で、息子がMXレースできるのは残り1年。
もちろん息子が中学生になり学校関連が落ち着いて、息子が再びMXレースしたいなら再開はOK。なので1年間はレースおやすみ程度の話。(練習は様子見つつ月1程度はやろうとしているので、完全な引退ではない。あくまでも息子のみレース引退のひと区切り)
そこから最後の1年をどう過ごすか考えた結果、これまで関東ミニモトなど、ローカルの非公式戦しか出ていなかった我が家だけど「最後の1年の記念で、息子を全日本モトクロス選手権に参戦させるか!」とうっかり思ってしまった。
そもそも、関東選手権で決勝進出しないと、全日本モトクロス選手権@オフビの出場権は得られないという話なので、そのまま予選落ちで出られない可能性もある。全日本で勝つ!ではなく、全日本に出る!がゴール。
「ま、全日本モトクロス選手権に出場だけできたら、将来、息子がでかくなったときに就活で”全日本選手権出ました!”と言うだけで努力できる子という優良誤認がおこるかもしれんw」
という程度の邪な気持ちでした。
ただ、親の思いつきなんで、息子に意思を確認したら、息子は息子で能天気に「いいよー、俺も出てみたい」と即答。(のちに、息子はこの気軽な決断を後悔することになるw)
ちなみに2020年の全日本モトクロス選手権で65ccで出走できるのはオフビの関東大会のみ。その参加資格が得られる関東選手権は5月末。
そこに向けて、息子のMFJライセンスを取得し、息子は人生初の関東選手権にエントリー。我が家はトランポがなく、ウエストポイントさんにバイク預けっぱなしなので、そもそも関東選手権に参戦といってもオフビのみ。
いざ関東選手権参戦@オフビといっても、日頃の練習もレースも99%がモトビなので、オフビが走り慣れていないし、モトビに比べると速度域が高く、ジャンプも大きく・・・で、もうまともに走れないし、息子もびびりまくり。
たしか、全日本モトクロス選手権参加資格を得るための初の関東選手権参戦の日は大雨の翌日でひどいマディ。もはやスタックしないライダーが生き残るサバイバルレースみたいな日だった。
全日本出場権をかけた予選レースで下位1~2台が予選落ち。スタックするくらいのマディなので、とにかく完走を目指すアプローチ。
その結果、順位は忘れたけど、無事に予選通過となり、出場権を手に入れてしまった。
その後、全日本出場権を得たのに、オフビの関東選手権に出場し続けることになしてしまったw
全日本モトクロス選手権の出場権を得たなら、やめればいいのに、慣れとは恐ろしいw
そんな関東選手権の数週後、珍しく関東ミニモトの会場がモトビではなくオフビ開催。
そこに照準をあわせて、息子をオフビ通いさせて練習を実施。
3日間ほど走ってオフビのラップタイムのベストは、2分28秒から1分59秒まで縮まる。なんと30秒も!!ではなく、初日の2分28秒がおそすぎるのだw(息子がどれくらい遅かったかと言うと、MX歴1年未満で50cc2st乗り始めのキッズくらいw)
息子がモトビでは良い勝負のキッズ達は最初から1分55秒程度は出しているので、息子のオフビ適応速度が異様に遅い。
ただ、これは息子の性格がビビリな面もあるが、息子が悪いというより、スタンディングでのニーグリップなど、基礎を叩き込まずに済ませてきた親=自分の責任なのは明白だった。
モトビのようなコースなら、座りっぱなしで走れるし、速度も低いのでスタンディングはせいぜいフープス程度だしジャンプも小さなテーブルトップだけ。
でも、オフビはすべての次元は違うし、モトビよりも路面は荒れていて、スタンディングなしにはどうにもならない。
そんなこんなでタイムがあがらないまま関東ミニモト本番を迎えるが、なぜかこの日は好スタートを連発!1コーナーに1~3位くらいで飛び込んでいく。
65ccビギナーのヒート1は、最後に50cc時代から速かったキッズに抜かれて3位くらい。その午前のベストタイムは競り合いで負けたくない気持ちで1分54秒まで縮まる。
昼休み、午前のヒートで勝ったRくんが息子のところにきて「お前にはぜったい午後も負けねー」と煽る笑
息子はそれが悔しかったみたいで闘志を燃やすw
午後のヒート2、スタートでまたもや飛び出し1位!
いままで観たこともないアクセルの開け方で必死に逃げる。完全にテクニックをスピードが追い越しており、観てるだけで危なっかしいw
ファイナルラップまでトップをキープ。息子のMX人生で初のヒート優勝くるか?と思っていたら、Rくんにファイナルラップで抜かれる。
でも、またその後に息子が抜き返す!
おぉ・・・あともう少し!!
と思っていたら、あと2コーナークリアすればトップでチェッカー!というところで、息子が転び、Rくんも巻き込まれて転び、3位走行してたYくんが初優勝!
この瞬間、親として「あぁ、これ、息子のMX人生で最初で最後のヒート優勝チャンスを逃したなぁ」と思ったwが、親としてレース応援でこれほど興奮した日は後にも先にもなかった。
子供がトップ争いするなら、日本全国トランポ運転しちゃうパパさんたちの気持ちは、ちょびっとわかった気がした。
その気迫あふれる走りの午後のベストタイムは1分49秒。
なんと1日で10秒縮まり、関東選手権でも表彰台に登るキッズのベストタイムは1分44秒なので、我が家からすると、わずか5秒落ちの速さにびっくり。
これで、「いよいよオフビを攻略したか!」と期待値があがってしまった。
思えば、この期待値があがったのが、ひとつの不幸の始まりだった笑
その後、何度もオフビに練習に行ったり、2回ほどオフビで関東選手権に出たが、あの日のタイムには遠く及ばず、2分すら切ることができないオフビにびびる息子に逆戻り。
そのせいで、何度かイライラして息子にきつくあたってしまった。すまぬ、息子よ。
「君ができないことをやれと言ってるんじゃない。あの日にやったことをもう一度やってと言ってるのよ」
これがワイの定番の叱責セリフだったが、まぁ、あの日は気合が違ったのだ、としか言いようがない。差分は気合しか思い当たらないw
そうこうしているうちにコロナの猛威が強まり、6月予定だった全日本モトクロス選手権@オフビは延期となった。
我が家のMFJ参戦は6月の全日本モトクロス選手権までの短期決戦で終わらせる予定だったのに、結果的には開催が11月にまで遅れてしまい、そのことで我が家のMXがピリピリしがちな期間が半年も伸びてしまった。
これがふたつめの不幸であった(苦笑
10月の関東選手権、これが全日本モトクロス選手権の前に走れる最後のオフビのレース。
とりあえず我が家はMFJ参戦してしまったが、元々はミーハーMXが主旨なんで、初心に帰って息子のデカールを新調した。
ワークス仕様なRockStarデカールに飽きてしまったwので、昔から好きだったDEUS EX MACHINA仕様にした。これはミーハー心的にはナイスな判断で、DEUS仕様なバイクと息子を見るたびに「走りはともかく、見た目は優勝!!」と思えて、とてもよかったw
ちなみに我が家の最近のジャージもデカールもCARRY DESIGNさんにお願いさせていただき、おそらくミーハー心への共感(と、我が家の多すぎるウェア買い替え頻度=オーダー量)によって、こんなへっぽこ親子ながら準サポートという望外の待遇をしていただいている。畑中さん、わがままリクエストに対し、いつもパーフェクトな仕上がりでありがとうございます!色々と神対応で感謝しかない。
*みなさんもジャージプリントやデカールのニーズあれば、ぜひCARRYさんへ!
たしか、この日の関東選手権@オフビはベストタイムはトップと25秒差で、ワーストか、後ろから2番目くらいになっていた(苦笑
決勝もたしか転んだ選手を覗いたらビリか後ろから2番目くらいの惨敗。
あの日の、半年前の関東ミニモトで勝ちかけた日のトップから5秒落ちレベルの走りは幻だったなぁ、、、みたいな親のエゴからくる失望感が息子にも伝わってしまい、息子もオフビへの苦手意識が増えるし、親父が怒る表情増えててMXがつまんなくなっているのが伝わってくる。
息子はもうオフビに走りにいく日は憂鬱モードで、戦っているメンタルではない。
うむ、非常にまずい。
そんな失意の関東選手権のあと、関東ミニモト@モトビ。モトビは息子が愛するホームコースで走り慣れているので、別人のように生き生きと楽しんで走る。その日の息子の走りは悪くなかったが、ライバルなキッズたちも速くなり、スタートも出遅れ気味で結果は出てなかったと思う。でも、楽しそう。
この頃は、オフビ行くたびに親子が険悪になり、モトビ行くたびに息子が楽しそうという感じで、我が家はゆるくミーハーMXのはずだったのに、いかんなぁ・・なんて思っていた。
息子の本番の全日本モトクロス選手権@オフビの二週間前、たまたま仕事で九州出張だったのでHSR熊本で開催される全日本モトクロス選手権にまで足を運んで観戦。
これが親の気分転換としてとても良かった。
MXに復帰して6年。Twiitterでつながった九州の方々に声をかけていただき、すでに知り合いの方々とも多々交流できて、自分もずいぶん知り合いが増えて楽しさが倍増したなと思った。MX業界に知り合いいないアウトサイダーとして、SNSで言いたい放題言ってきたけど、知り合い増えたことで楽しさと共に、発言内容にちょっと気をつかう面が増えたのは否めない。(というか、大人なんだから元々気を使うべきである!)
九州では、肘爆Photoのコーキさんから「ヤマグッチさんの家がMFJ出ると、ピリピリした雰囲気に飲まれてペース乱れないか心配なんですよ~」と言われ、まさにそのとおりに我が家のゆるふわなペースが乱れていたので、良い反省のきっかけになりました。。ありがとうございます。
そしてHSR熊本はコースの土質もレイアウトもほんとうに素晴らしかった。
観客も足元が土じゃないし快適でトイレも水洗。メーカー資本ならではかもしれないけど、こういうコースがあるのは素直に九州の方々がうらやましい!と思いました。
あともうひとつ。この九州の全日本モトクロス選手権で見かけたパドックのトラックの多くが、一週間後にオフビに練習に来ていて、同じトラックの群れをパドックで見かけたのは、自分のなかで印象的だった。
仮に息子が全日本レベルで速くても、わずか一週間後には九州から埼玉に自走移動してる情熱、自分にはないな・・・
と痛感した。
全日本モトクロス選手権をまわるというのは、お金がかかるだけではない。すごい情熱がないとダメなんだと強く実感。その情熱こそ金で買えない尊いものだし、自分にはない。
そんな九州と埼玉で相似形なトランポが並ぶ光景をみて、改めて我が家がローカルコースでエンジョイMXが最適だと実感した。
写真:肘爆Photo
そんなこんなで、九州の二週間後にやってきました全日本モトクロス選手権@オフビ。
写真:肘爆Photo
私も息子も、はじめての全日本モトクロス選手権で、そこそこナーバスですw
写真:肘爆Photo
あとからこの自分の写真みて「誰これ!この怖い人誰!」と思ってもうたw
写真:肘爆Photo
息子の朝の練習直前。ゴーグル越しの表情も不安そう。オフビの苦手意識が拭えないままに本番を迎えてしまった感。
写真:肘爆Photo
朝の練習時、卒倒しそうなほどひとりだけペース上がらない息子に、眉間のシワの寄り方がやばい私。イライラしてたなぁ・・もうあかんやつ^^;
その後、奥さんから「コーチが今更ジタバタしない!」とご指摘うけて(怒られて)、私も落ち着きました笑
写真:肘爆Photo
そこまでペースはあがらなかったが、これがゆるふわミーハーでやってきた我が家のMXの真の実力相応な結果。
ただ、この決勝終了までは親子で色々とぶつかり葛藤もあったけど、終わってみたらやってよかったなぁという達成感もあった。
ただ、息子のオフビでのベストな走りができるメンタルのコンディションにはもっていけなかった。これはコーチであるワイの落ち度。オフビへの苦手意識を克服できないままに本番を迎えさせてしまったのだ。そこはわりと真面目に反省してる。
どれだけ冴えない走りをしてたとしても、メンタルを後ろ向きにする、コースを苦手意識もたせるコミュニケーションはあかんのだなぁ、と。
*こちらは私が撮影編集した当日の動画
*こちらはCARRY DESIGNさんに撮影編集いただいた、息子の実力以上なかっこいい動画。スタートはそこそこ前に出れたのに、1コーナー手前でアクセルゆるめ抜かれまくり。戦う気持ちになりきれていなかったのが動画でもわかる^^;
そんなこんなで全日本モトクロス選手権への参戦も終わり、その2週間後は、息子の引退レースで関東ミニモト@モトビへ。
レース前日のモトビ。みんなでキッズたちが仲良く練習してて、とてもアットホームでいいかんじ。あぁ、MFJではないゆるさが落ち着く!としみじみw
モトビの夕陽、いいすなぁ。(しみじみ)
関東ミニモト本番当日、息子は6ヒート思いっきり走って終了、とにかく楽しそうだったのがなにより。順位は忘れたけど、表彰台には乗れずでした。
うむ、。どえらい長文になってしまいましたが、2020年の我が家のMFJ参戦は、ひとことでいえば・・・
慣れないストイックな場にいってしまい、親子共にすごく疲れた(笑) あと、ストイックにやっている方々には、ノイズとなる家庭で少し申し訳なかった。
ただ、結果論として、全日本モトクロス選手権に出場できたことは良い思い出と体験になったし、やってよかったなと思っています。
短期でも真剣に取り組んだからこそ、親としても、息子も、自分の適性を知ったという面もよかった。我が家に「ストイックMX」は間違いなく向いていない、という確信(笑)
もちろん人生で何かをストイックにやることは大事だと思っています。私にとっては、それは仕事で、おそらく全日本参戦される方々並の情熱をもっている。ただ、我が家にとってMXはそれではなく、ゆるふわミーハーな趣味がちょうど合っているな、と。
自分を知るというのは悪いことではなく、幸せに生きるコツ。その自分を知るプロセスとしてMFJ参戦はとても意義深い体験でした。
ちなみに、息子は少し前までは時々
「一応、俺もプロMXレーサーになるという夢がある」
と言っていたが、全日本モトクロス選手権に出てからは
「プロのMXレーサーなんて絶対ムリ!俺はモトビで楽しく走る!」と方針転換しました笑
息子に「全日本モトクロス選手権に出てよかった?」と聞くと、しばらく考え込んで「まぁ、出てよかったけど、オフビじゃなくてモトビだったら良かったな」と。
うむ、彼にとってのストレスは、全日本モトクロス選手権や関東戦という空気ではなく、オフビというコースだったみたいです。まぁ、これは仕方ない。
ゆるふわミーハーMX一家が、本気モードな世界に足を踏み入れて火傷した現場からは以上です!w
ま、火傷も含めて楽しかったので、まったく後悔はしていない。良い経験でした^^
P.S
ちなみにMFJは、SNSではネガに言われがちな存在ですが、自分が実際にエントリーしてみると、現場スタッフの方々は非常に親切だし、我が家のようなチャラい家庭を拒む雰囲気はない歓迎感ありました。
ただ、その姿勢が参戦してない外部には伝わっていなくて、敷居が高いと感じられることは勿体ない。
あと、親としては関東選手権エントリー時の紙の郵送みたいな前時代感ある方法は正直めちゃくちゃ面倒でした。あれ、ネット申し込みにすれば、受理して処理する方も楽だし、転記ミスも減るはずとは思いました。(全日本モトクロス選手権はネット申し込み可に進化してた。MFJとひとくちによっても大会によって運営の実質主体が異なるようで、そこでのばらつきかもしれないし、2021年に向けた方針では、そこのばらつきを減らし、運営レベル底上げの支援みたいな記載もあったので、今後のカイゼンに期待しております。)
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